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物性セミナー/2007-6-1

2007年 夏学期 第3回 物性セミナー

 講師 時弘 哲治 氏(東京大学・大学院数理科学研究科)

 題目  セルオートマトンと偏微分方程式--超離散化を中心に-- 

 日時 2007年 6月 1日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

ライフゲームに代表されるセルオートマトン(CA)は、有限個の状態のみをとるセルから構成される系であり、離散的な時間ステップで時間発展する離散力学系である。単純な規則によって複雑な時間発展パターンを発現し、数値的な取り扱いも簡単であるため、化学反応、パターン形成などの自然現象や、交通渋滞、避難経路などの社会現象のモデルとして盛んに研究されている。 しかしながら、その完全に離散的な性質のため、現象を特徴づける数理構造を抽象することはかなり難しい。近年、偏微分方程式など連続的な方程式から「超離散化」と呼ばれる手法でCAを構成し、元の連続系の性質(保存量や初期値問題の厳密解)を用いてCAを解析する研究が進んできた。本講演では、主に「箱玉系」と呼ばれるCAについて、「超離散化」の考え方や「結晶化」と呼ばれる格子模型からCAを構成する手法についてお話したい。箱玉系は有限個の玉が一定の規則で箱の中を動く単純な離散力学系であるが、ソリトン的な性質や組合せ論的な性質を持ち、数論の未解決問題(リーマン予想)と直接関係するなど、色々と興味深い性質を持っている。また、フラクタル構造を持つ解を生成する偏微分方程式や,等方的なパターン生成を持つセルオートマトンのBZ反応への応用など最近の話題についてもお話したい。

宣伝用PDFビラ

2007-0601.pdf(312)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

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最終更新時間:2007年06月05日 11時40分02秒