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物性セミナー/2019-2

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2019-2-15

2018年度 冬学期 第9回 物性セミナー

講師 塩見 雄毅 氏 (東京大学大学院 総合文化)

題目 反強磁性金属におけるMagneto-piezoelectric効果の観測

日時 2019年 2月 15日(金) 午後4時50分

場所 16号館 827

アブストラクト

圧電効果とは、物質に圧力を加えると電場(電気分極)が生じる現象であり、逆に電場を印加したときに物質が変形する現象を逆圧電効果と呼ぶ。このような歪み-電場応答を可能にする(逆)圧電効果は、身近な例ではライターの着火石などにも利用されており、基礎物理・応用物理の両面から重要な物理現象である。

 圧電効果は、絶縁体や半導体の物質において研究がなされてきた。これは金属では伝導電子によるスクリーニング効果によって電気分極が打ち消されるため、圧電応答が通常観測されないからである。しかし、もしこの制約を打ち破り伝導性と圧電性を両立させることができれば新しいエレクトロニクス素子の開発につながることが期待される。

 本発表では、上記の目標を達成すべく、伝導性を利用した圧電応答を開拓した成果について紹介する[1, 2]。特に、磁気構造が結晶の空間反転対称性を破る磁性金属における新しい圧電応答である「magneto-piezoelectric効果」の観測[2]について物理的に議論したい。

[1] Y. Shiomi, T. Akiba, H. Takahashi, and S. Ishiwata, Adv. Electron. Mater. 1800174 (2018).

[2] Y. Shiomi, H. Watanabe, H. Masuda, H. Takahashi, Y. Yanase, and S. Ishiwata, arXiv:1811.08107.

宣伝用ビラ

KMB20190215.pdf(208)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

2019-2-8

2018年度 冬学期 第8回 物性セミナー

講師 中西 義典 氏 (東京大学大学院 総合文化)

題目 圧縮センシングの限界と可能性

日時 2019年 2月 8日(金) 午後4時50分

場所 16号館 827

アブストラクト

圧縮センシングとは計測の効率を向上させる試みのことであり,特にスパースモデリングを活用するものを指すことが多い.スパースとは「疎ら」を意味し,適切な基底展開で表現したときにゼロでない値をとる係数が少なく疎らであることを言う.スパースモデリングとは,研究者が,計測対象に内在するスパース性を仮説として見出すことであり,その仮説に基づいて効率の良いデータ取得やデータ解析の手法について検討することである.本セミナーでは物性科学で用いられる走査トンネル分光法を例に圧縮センシングについて説明し[1],スパースモデリングが仮説に過ぎないことによる限界やその限界を突破するための可能性について議論する[2,3].

[1] YN-O, M. Haze, Y. Yoshida, K. Hukushima, Y. Hasegawa, and M. Okada, J. Phys. Soc. Jpn. 85, 093702 (2016)

[2] YN-O and K. Hukushima, J. Phys. Conf. Ser. 1036, 012014 (2018)

[3] YN-O and K. Hukushima, Phys. Rev. E 98, 052120 (2018)

宣伝用ビラ

KMB20190208.pdf(186)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar