Hotta Group Seminars

オンライン セミナー
2022/5/24 Thu 14:00-

第1部:非エルミート系におけるバルク境界対応と境界に依存する物理、しない物理 by 井村
第2部:非エルミート系における多体効果とエンタングルメントのダイナミクス by 折戸

前半の第1部では、井村が非エルミート系の物理におけるバルク境界対応について、(a)いわゆるトポロジカル絶縁体におけるバルク境界対応の非エルミート版と、(b)非エルミート系特有の表皮効果に対するバルク境界対応という2つの側面から外観し[1,2]、そこから境界に依存する物理、しない物理へと展開する。後半の第2部では、折戸がそのような非エルミート系に多体効果がどのような効果を及ぼすか議論する。とりわけ、エンタングルメントのダイナミクスに関する最新の研究成果[3,4]について報告したい。
[1] K.-I. Imura, Y. Takane, Prog. Theo. Exp. Phys., 2020, 12A103 (2020). [2] Z. Gong et al., Phys. Rev. X 8, 031079 (2018). [3] T. Orito, K.-I. Imura, Phys. Rev. B 105, 024303 (2022). [4] T. Orito, K.-I. Imura, in preparation.

オンライン セミナー
2021/9/9 Thu afternoon
13:00-15:00 中田
15:00-17:00 手塚
17:00-18:30 幕田・中井
2021/9/10 Fri
9:00-9:30 手塚
9:30-10:30 国見
10:30-11:30 大久保
13:00-14:00 後藤
14:00-15:30 金子
15:00-16:00 岩木


手塚真樹氏 (京大理): Sachdev-Ye-Kitaev 模型とスクランブリング, 多体局在
Sachdev-Ye-Kitaev(SYK)模型[1-3]は多数のフェルミオンが全対全のランダムな4体相互作用をする模型で、フェルミオンの個数$N$が大きい極限で解け、低温で強結合となり、エントロピーが低温極限で有限に残る。古典カオス系で微小変位の指数関数的な増大を特徴づけるリアプノフ指数に対応して、量子系では非時間順序相関からリアプノフ指数が定義される。これの上限が近年提案され[4]、ブラックホールで実現されると考えられている。SYK模型はこのカオスの上限を満たすことなどから、2次元時空のブラックホールとホログラフィック対応をもつ模型の候補としても注目されてきた。 今回は、まずSYK模型を紹介し、次いで、この模型に関連して発表者らが行ってきた研究、とくに量子多体系に与えた操作の情報が系全体に急速に非局所化するスクランブリング[5]や、逆に量子多体系の全ての固有状態が局在して初期状態の記憶が長時間残る現象である多体局在[6-7]についての結果のいくつかを紹介する。
[1] S. Sachdev and J. Ye, Phys. Rev. Lett. 70, 3339 (1993). [2] Alexei Kitaev, https://online.kitp.ucsb.edu/online/{joint98/kitaev/, entangled15/kitaev/, entangled15/kitaev2/} (2015). [3] S. Sachdev, Phys. Rev. X 5, 041025 (2015). [4] J. Maldacena, S. H. Shenker, and D. Stanford, JHEP 1608, 106 (2016). [5] H. Gharibyan, M. Hanada, S. H. Shenker, and M. Tezuka, JHEP 1807, 124 (2018). [6] A. M. Garcia-Garcia, B. Loureiro, A. Romero-Bermudez, and M. Tezuka, Phys. Rev. Lett. 120, 241603 (2018). [7] F. Monteiro, T. Micklitz, M. Tezuka, and A. Altland, Phys. Rev. Res. 3, 013023 (2021); F. Monteiro, M. Tezuka, A. Altland, D. A. Huse, and T. Micklitz, Phys. Rev. Lett. 127, 030601 (2021).

中田 芳史氏(東大工):量子ランダム・ダイナミクスの数理と物理
近年、「量子系におけるランダムなユニタリ・ダイナミクス」に関する研究が注目を集めている。そのようなダイナミクスは、しばしば数学的にHaarランダム・ユニタリとして定式化され、ここ十数年、「量子誤り訂正 [1,2]」や「量子超越性 [3]」をはじめとした量子情報プロトコルへの応用や、「閉じた系での熱平衡化現象 [4,5]」「ブラックホールの情報パラドクス [6,7]」との関連が指摘されてきた。このように、様々なトピックスで有用なHaarランダム・ユニタリだが、一方で、多体系においては現実的なタイム・スケールでは実現しないという大きな欠点がある。その欠点を補うものがHaarランダム・ユニタリを近似するunitary design [8]や、ランダム・ダイナミクスの物理的な特徴付けであるscrambling [9]である。Unitary designやscramblingは、ランダム・ダイナミクスを用いた量子情報プロトコルの発展、また、ランダム・ダイナミクスの帰結として現れる量子多体現象の真の物理的理解を目指し、近年の大きな研究テーマとなっている。今回のトークでは、Haarランダム・ユニタリ、unitary design、scramblingの関係を説明した後に、それらに関連するトピックを紹介したいと考えている。
[1] F. Dupuis, M. Berta, J. Wullschleger, and R. Renner, Commun. Math. Phys. 328, 251 (2014). [2] YN, E. Wakakuwa, and H. Yamasaki, Phys. Rev. A 104, 012408 (2021). [3] S. Boixo, et al, Nature Physics 14, 595-600 (2018). [4] S. Popescu, A. J. Short, and A. Winter, Nature Physics 2(11):754-758, (2006). [5] L. del Rio, A. Hutter, R. Renner, and S. Wehner, Phys. Rev. E 94, 022104 (2016). [6] P. Hayden, and J. Preskill, JHEP 0709: 120, (2007). [7] YN, E. Wakakuwa, and M. Koashi, arXiv:2007.00895 (2020). [8] R. A. Low, arXiv:1006.5227 (2010). [9] D. A. Roberts, and B. Yoshida, JHEP 04, 121 (2017).

國見 昌哉氏(分子研): トラップポテンシャルを有する1次元Bose-Hubbard模型の非エルゴード的ダイナミクス
ここ10年ほど、冷却原子系の進展に伴い、孤立量子系の熱化の研究が盛んに行われている。特にここ2-3年で長時間時間発展しても熱化が起きない非エルゴード的(非熱的)なダイナミクスを示す新しい機構が明らかになるなど、理解が進んでいる。本研究ではこのような非エルゴード的ダイナミクスを光格子中ボース気体での実験で観測するための理論的な提案を行う。そのために実験可能な現実的なセットアップとしてトラップポテンシャルを有する1次元Bose-Hubbard模型を考え、その時間発展を厳密対角化法と行列積状態を用いて解析した。特に、オンサイト相互作用が大きい領域では、長時間熱平衡化が起きない非エルゴード的なダイナミクスを示すことがわかった。また摂動論を用い、相互作用が大きい領域を記述する有効スピン模型を導出した。この有効模型を用い、元の模型では数値計算困難なより長時間のダイナミクスの解析を行い、エンタングルメントエントロピーが時間の対数で成長する領域を見出した。

大久保毅 氏(東大理): 有限温度キタエフ模型の物性計算
基底状態が量子スピン液体状態になっているハニカム格子キタエフ模型について、 密度行列のテンソルネットワーク表現を用いて物性を計算した結果について紹介する。 無限に広がったinfinite tensor product operators (iTPO) を用いた計算では、 キタエフ模型の保存量であるフラックスが成長する低温では、iTPOの最適化の問題で、 十分な精度が出ないことを示した後、有限系の物性を、matrix product operators (MPO) を用いて計算した結果について報告する。

後藤 慎平氏(東京医科歯科大):ユニタリ発展を用いたトレース評価のサンプリング効率の改善と可積分性の影響
最近、量子計算機上で虚時間発展を再現する方法が提案され、またそれに基づいた量子多体系の有限温度状態の量子計算が実行された。この量子計算においてはトレース演算を積状態のサンプリングにより評価することを提案しているが、この方法は100量子ビット程度の系ではサンプリング効率が非常に悪いことがすでに確認されている。この効率を改善するための方法として、我々は非可積分模型Hamiltonianを用いたユニタリ発展を行うことを提案する。数値計算の結果、我々の提案する方法を用いると系のサイズの増加と共に効率が改善していく振る舞いが生じることを確認できた。

岩木敦司氏(堀田G):ランダムサンプリングによる熱平衡状態のpurity
統計力学で伝統的に用いられるギブス状態のpurityは指数的に小さい。それに対して、近年、typicalityの文脈から提案されたthermal pure quantum (TPQ)状態は純粋状態なので、そのpurityは1である。ギブス状態とTPQ状態は両極端な熱平衡状態であり、その間には様々なpurityの値を取る無数の熱平衡状態が存在すると考えられる。ところで、有限温度の数値計算で用いられるランダムサンプリング法は、何らかの熱平衡状態を生成していると考えることができる。その熱平衡状態のpurityはどうなっているのか、という疑問は自然に生じるものであろう。我々は、ランダムサンプリング法のefficiencyやrandom fluctuationの考察を通して、熱平衡状態のpurityに対する1つの明示的な定義を与えた。

金子 隆威 氏(近畿大学): テンソルネットワーク法を用いた2次元冷却原子系の相関伝搬ダイナミクス計算
2次元Bose-Hubbard模型においてMott絶縁体から量子臨界領域にクエンチした際の実時間ダイナミクスをinfinite projected entangled pair state(iPEPS)を用いたテンソルネットワーク手法で調べた。計算した一粒子相関関数の時間依存性が実験結果とよく一致することを確認した後、実験でまだ測定されていないパラメータ領域へクエンチした際の相関の伝搬速度も見積もった。また、近年のRydberg原子集団の実験に関連して、2次元縦横磁場反強磁性Ising模型のクエンチダイナミクスの計算結果についても報告する。


オンライン早稲田会
2020/10/9 Fri afternoon
13:00-14:00 後藤 慎平氏(近畿大学) 「Trotter ゲートを用いて改良したランダム行列積状態手法」
14:40-15:40 山本 大輔氏(青山学院大学) 「DMRGをソルバーに用いた大規模クラスター平均場近似とその適用」
17:30-18:30 段下 一平氏(近畿大学) 「Bose-Hubbard模型のクエンチダイナミクス -アナログ量子シミュレーションと数値計算の比較」


光元 亨汰氏 (大阪大学サイバーメディアセンター)
2019/8/8 Thu morning 10:00-
クエンチドランダムネスがないパイロクロア格子におけるスピンと格子の同時ガラス転移
クエンチドランダムネスなしでスピングラス転移が起こりうるかという問題は、長い間、理論物理の未解決問題として残されていた。 実験的には、いくつかのフラストレート磁性体が、ケミカルな乱れがほとんどないにも関わらず、 スピングラス転移を起こすことが知られている。 近年、代表的な物質であるパイロクロア酸化物Y$_2$Mo$_2$O$_7$において、磁性イオンのJahn-Teller歪みを示唆する実験結果が報告された。[1]今回我々は、この格子歪みを動的自由度として取り入れた、クエンチドランダムネスを含まないスピン模型を構築し、 数値シミュレーションを行った。その結果、スピンと格子の同時ガラス転移が起こることを見出した。
[1] P. M. M. Thygesen et al. Phys. Rev. Lett. 118, 067201 (2017).

Natalia Drichko氏 (John Hopkins) , 山下穣氏(ISSP)
2019/2/5 Tue afternoon 14:00-
Signatures of quantum dipole liquid in an organic Mott insulator
Mott insulators are commonly pictured with electrons localized on lattice sites. Their low-energy physics involves spins only. Recent theoretical work suggests that in molecular systems a new on-site charge degree of freedom can emerge. On a frustrated lattice with charge-spin coupling it would result in a new quantum spin liquid state.
We show how to use Raman spectroscopy as a tool to distinguish Mott insulators with an on-site charge degree of freedom from simple dimer Mott insulators. Raman spectra of the latter show two-magnon excitations expected for a S=1/2 antiferromagnet on a triangular lattice [1]. We demonstrate a presence of the charge degree of freedom in molecule-based Mott insulators k-(BEDT-TTF)2Hg(SCN)2X (X=Br,Cl). In k-(BEDT-TTF)2Hg(SCN)2Br, when electrons localize on a triangular lattice of molecular dimers at temperatures below 100 K, they form electric dipoles which do not order at low temperatures and fluctuate, resulting in a so-called quantum dipole liquid state. A frequency of dipole fluctuations of 1.3 THz is detected experimentally in our Raman spectroscopy experiments through an observation of a related collective mode [2]. In k-(BEDT-TTF)2Hg(SCN)2Cl, these electric dipoles order below 30 K, however we demonstrate that at lower temperatures this charge order is melting, and the material shows paramagnetic behaviour suggestive of a spin liquid.
[1] N. Hassan et al. Crystals (2018), [2] N. Hassan et al. Science (2018)

Magnetic susceptibility and torque measurement of kappa-(BEDT-TTF)2Hg(SCN)2X, (X = Br, Cl)
Molecular-based material kappa-(BEDT-TTF)2X have been extensively studied because a variety of electric states, including superconductivity, antiferromagnetic order, and quantum spin liquids, has been realized by selecting the molecule X. Recently a pair of insulators X = Hg(SCN)2Br and Hg(SCN)2Cl has been found to show interesting electric states; the former shows a quantum dipole state and the latter forms a charge order. To investigate the magnetic property of these compounds, we measured the magnetic susceptibility and the magnetic torque. I will report these results and discuss magnetic ground states of these compounds.

Jozef Genzor氏 (神戸大学)
2018/12/26 Wed afternoon 14:00-
Quantum Ising Model on Sierpinski triangle and Classical Ising Model on Sierpinski carpet
The central interest of the condensed matter theory is that of understanding of the phase transition and critical phenomena. Most of the effort so far has been focused on studying the systems with a regular structure, which possess the property of translational invariance. In the case of the translationally invariant systems, scale invariance occurs only at a critical point. As a consequence of such emergence of the scale invariance, the critical behavior is controlled only by global properties of the underlying structure, e.~g., dimensionality and symmetries, which is a concept known as universality. Critical phenomena on fractal lattices are still relatively under-explored. Due to their non-integer dimensionality, fractal lattices lack the translational invariance; however, they possess a weaker type of symmetry, i.~e., scale invariance. Scale invariance means that fractals exhibit self-similarity at every scale. Since the whole structure is self-similar at every scale, the influence of the more delicate details of the geometrical structure is amplified as the system size grows and thus the critical behavior becomes further governed by the additional geometric aspects such as ramification, lacunarity, connectivity, etc. In my talk, I will focus on two systems: (1) Quantum Ising model on the Sierpinski gasket (triangle) and (2) Classical Ising model on the Sierpinski carpet.


森田 克洋氏 (東京理科大学)
2018/11/27 Tue afternoon 14:00- 827
S=1/2フラストレートスピン系の厳密解とDMRG法による解析
二次元フラストレート量子スピン系は,スピンの量子揺らぎとフラストレーションの相乗効果により ,量子スピン液体や量子スピン固体などの特異な基底状態が実現すると期待され,また磁場中に おいて,磁化プラトー,ジャンプ,カスプなどが生じることもあり,理論と実験の両面から近年盛んに  研究が進められている.特に籠目格子のS=1/2ハイゼンベルグモデルにおいて M/Msat=0,1/9,3/9,5/9,7/9で磁化プラトーが理論的に確認されている[1].しかしながら,世界トッ プレベルの数値計算法を駆使してもその基底状態やプラトーの有無は手法や研究者により統一性 が無く,未解明である.そこで我々は数値誤差を考慮しなくてよい,厳密な非磁性基底状態を持つ モデル群を新しく考案した[2].本モデルの基底状態は縮退しており,その残留エントロピーは系の サイズを大きくしてもその境界の影響を受け,有限になったり,零になったりすることを厳密に示し た.またごく最近,広瀬氏らの研究により,本モデルに縮退を解く相互作用を導入するとquantum dimer modelが実現することが判明している[3,4].本モデルと同じく基底状態が厳密に解るモデル としてキタエフモデル[5]が注目されているがその相互作用は極端な異方性を有する.一方,本モ デルは全て単純な等方的なスピンの内積で表され,モデル物質の合成に期待が持てると考えてい る. カゴメ格子は二次元系であるために数値計算の誤差の問題が生じるが,一次元系であれば DMRG法を用いることにより,この問題から解放される.そこで我々はカゴメ格子を一次元化したカ ゴメストリップ鎖(単位胞内に5site)の磁場中基底状態をDMRG法により調べた[6].その結果,多数 の磁化プラトーが確認された.特に5×4site周期という長周期構造を持つ磁化プラトーは新しい 発見であると言えるだろう.発表ではこれらの基底状態について議論したい.
[1] S. Nishimoto, N. Shibata, and C. Hotta, Nature Com. 4 2287 (2013).
[2] K. Morita, N. Shibata, J. Phys. Soc. Jpn. 85, 033705 (2016).
[3] Y. Hirose, A. Oguchi, and Y. Fukumoto, J. Phys. Soc. Jpn. 85, 094002 (2016).
[4] Y. Hirose, A. Oguchi, and Y. Fukumoto, J. Phys. Soc. Jpn. 86, 124002 (2017).
[5] A. Kitaev, Ann. Phys. (N.Y.) 321, 2 (2006).
[6] K. Morita, et al., Phys. Rev. B 97, 014412 (2018).

橋本 顕一郎氏 (東北大学)
2018/2/22 Tue afternoon 14:00- 16号館129
電子相関と幾何学的フラストレーションによる電子の結晶化とガラス化
アブストラクト: 物質のガラス化は自然界において極めて普遍的な現象であり、窓ガラス(SiO2)などの構造ガラス以外にも、磁気スピンや電気双極子、軌道自由度や超伝導体中の渦糸などでも観測される。最近になって、強い電子相関と幾何学的フラストレーションをもつ分子性有機導体において、電荷秩序転移に伴う電子の結晶化が妨げられた場合に、固体中の電子が無秩序な配置のまま凍結する電荷ガラス状態が実験的に報告されるようになった[1-3]。 本講演では、二等辺三角格子による幾何学的フラストレーションをもつ電荷ガラス形成物質theta_m-(BEDT-TTF)2TlZn(SCN)4に焦点を当てて、放射光施設を用いた構造解析や光学実験の結果から、この物質で観測されるガラス化に向けた電荷ダイナミクスのスローイングダウンが、様々な電荷配列が混ざり合った結果生じる無数の準安定状態をもつエネルギーランドスケープ描像で良く理解できることを示す[4]。さらに、固体中の電子のガラス化と結晶化過程が構造ガラスに代表される一般的なガラス形成物質と多くの類似点をもつことを紹介する。
[1] F. Kagawa et al., Nat. Phys. 9, 419 (2013).
[2] T. Sato et al., Phys. Rev. B 89, 121102 (2014).
[3] T. Sato et al., J. Phys. Soc. Jpn. 83, 083602 (2014).
[4] S. Sasaki, K. Hashimoto et al., Science 357, 1381 (2017).

鈴木 正氏 (埼玉医科大学)
2017/12/26 Tue afternoon 14:00- 16号館410
量子アニーリングにおける環境の影響について
量子アニーリングは最短経路探索や大学の授業時間割作成などの組み合わせ最適化問題を解くための量子計算手法の一つである。最近、量子アニーリングを行う史上初の量子計算機が商品化され、マスコミにも取り上げられるなど、話題を呼んでいる。さて、量子計算機で量子アニーリングを行う場合、環境の影響を避けることはできない。これまでに理論的に調べられてきたのは環境のない理想的な状況であったが、環境がどのような影響を及ぼすかを明らかにすることは極めて重要である。我々は、超伝導磁束量子ビットを念頭に置いて、ボソンの環境と相互作用する1次元横磁場イジング模型の時間発展を計算する手法を最近開発した。この手法は約100スピン程度の開放量子スピン系の計算を可能にする。この手法により量子アニーリングにおける環境の影響を調べた結果を報告する。

駒場 物性 mini workshop
2017/12/5 Tue 場所 16号館 am:827 / pm:129
10:00-10:20 寒川(加藤研) 「グラフェン超伝導の電磁応答」
10:20-11:00 水野 「ガラスの連続体極限における音波輸送特性」
     小休憩
11:10-11:30 黒川(前田研) 「駆動状態の磁束フロー抵抗の周波数依存性」
                   小川 「超伝導体の混合状態に対するHall効果測定」
11:30-11:50 鍋島 「鉄カルコゲナイドFe(Se,Te)薄膜の超伝導」
11:50-12:10 上野 「鉄カルコゲナイドFe(Se,Te)薄膜の超伝導 その2」
     昼休み
14:00-14:20 大川(深津研) 「量子相関を用いた光物性評価法」
14:20-14:40 加藤     「カイラル磁性体のヒステリシスの理論」
14:50-15:30 小野瀬 「マグノン、フォノンの相対論効果」
15:30-16:00 堀田  「スピン系で磁場なしで得られるネマティック固体液体相」
     小休憩
16:30-17:00 清水  「TPQ状態に対する非線形外場応答」
17:00-17:30 寺崎 「Ba3ZnRu2O9のスピン液体状態」



Adrien Bolens氏 (理学部物理学科)
2017/10/24 Tue morning 10:00- 16号館129
Sub-gap optical conductivity of honeycomb Kitaev materials
The introduction of the exactly solvable compass spin model on a honeycomb lattice by Kitaev [1] has generated great excitement due to its spin-liquid ground state. Its realistic short-range anisotropic interactions have been shown to be realizable in some Mott insulators, called Kitaev materials, thanks to the Jackeli-Khaliullin mechanism [2]. Motivated by recent terahertz absorption measurement in α-RuCl3 [3], I will discuss a mechanism for sub-gap optical conductivity which originates from charge fluctuations in Kitaev materials.
[1] A. Kitaev, Ann. Phys. 321, 2 (2006).
[2] G. Jackeli and G. Khaliullin, Phys. Rev. Lett 102, 017205 (2009).
[3] A. Little et al., arXiv:1704.07357 (2017).
聴衆に英語の方がいらっしゃるのでセミナーは英語で行いますが, 彼は日本語も堪能です.


三本立てセミナー(小野瀬研共催)
2017/5/25 Thu afternoon 13:30- , 15:00-, 16:30- 16号館126-127

(聴衆が日本語を解する人のみの場合はもちろん日本語で行います)
紙屋 佳知氏 (理研)
Multiferroics by design with frustrated magnets with trimers
An equilateral triangle (“trimer”) of spins with S = 1/2 is the simplest example with built-in magnetic and electric dipoles arising from the frustrated exchange interaction [1]. Such trimers can be weakly coupled to make multiferroics by design [2]. In this talk, I will explain the underlying theory to describe perturbative electron fluctuations in Mott insulators with effective spin operators. I will then introduce our recent collaboration on an organic molecular magnet dubbed TNN, which provides an ideal experimental realization of our theory [3].
[1] L. N. Bulaevskii, C. D. Batista, M. V. Mostovoy, and D. I. Khomskii, Phys. Rev. B 78, 024402 (2008).
[2] Y. Kamiya and C. D. Batista, Phys. Rev. Lett. 108, 097202 (2012).
[3] Y. Kamiya et al., in preparation.

加藤 康之氏 (東大工)
「反強磁性正四角台塔系 Ba(TiO)Cu4(PO4)4の 磁化曲線と電気磁気効果 -- 多極子分解による解析」
近年,正四角台塔型の低対称な磁気ユニットを内包する反強磁性体か゛合成され た.空間的に低対称なユニットの存在により,磁気秩序相て゛は電気磁気効果か゛期待され,実際反強磁性転移に伴う誘電異常か゛観測されている. 我々は飽和磁場以上まて゛の磁化曲線や誘電異常か゛再現可能な有効理論模型を構築した.特に低対称なユニット固有の,スピン軌道相互作用に起因するDzyaloshinskii-Moriya相互作用が重要な役割を果たしていることがわかった. 本講演て゛は有効模型と,その解析方法と結果について紹介する.有限温度有限磁場下て゛見つかった様々な磁気秩序相の磁気ハ゜ターンの多極子分解による解析結果と対応する電気磁気応答について紹介する.
[1] Y. Kato et al., Phys. Rev. Lett. 118, 107601 (2017).

紙屋 佳知氏 (理研)
Anomalous spin dynamics in frustrated quantum magnets with magnetic order
Recent studies in quantum magnets have found several examples of anomalous spin dynamics even if a material is magnetically ordered. By “anomalous” I mean deviation from conventional spin wave theory. In this talk, I will show that such anomalous spin dynamics is exemplified in Ba3CoSb2O9, an ideal realization of a spin-1/2 triangular-lattice Heisenberg antiferromagnet [1?3]. In particular, I will discuss the ground-state phase diagram in a magnetic field and compare dynamical properties in the zero-field 120° state phase [4] and the 1/3 magnetization plateau phase [5]. This work is a collaboration between theory based on nonlinear spin wave calculations and inelastic neutron scattering experiments.
[1] Y. Shirata et al., Phys. Rev. Lett. 108, 057205 (2012).
[2] T. Susuki et al., Phys. Rev. Lett. 110, 267201 (2013).
[3] G. Koutroulakis, T. Zhou, Y. Kamiya et al., Phys. Rev. B 91, 024410 (2015).
[4] J. Ma, Y. Kamiya et al., Phys. Rev. Lett. 116, 087201 (2016).
[5] Y. Kamiya et al., arXiv:1701.07971.


2016/7/13 Wed morning 10:30- 16号館410
桃井 勉氏 (理研)
S=1/2 ネマティック状態について
桃井さんは強相関系(磁性体)におけるS=1/2スピンのネマティック秩序状態の理論研究で先駆的なお仕事をされた第一人者です.
(たとえばNic Shannon, T. Momoi, Philippe Sindzingre, Phys. Rev. Lett. 96 (2006) 027213., T. Momoi, P. Sindzingre, and K. Kubo, Phys. Rev. Lett. 108, 057206 (2012).など).
現在, 前期課程の力学の講義を駒場にて教えていただいていますが, 今回はご専門のネマティック秩序のあれこれについて ざっくばらんに議論しながら教えていただく会(セミナーよりももっと研究室の定例会に近い形にします)を行う予定です.


2016/5/11 Wed afternoon 13:20- 16号館129
伊藤 哲明氏 (東京理科大学)
Title: 単体Teにおける電流誘起磁性
abstract:電気的入力で磁気的応答が発現する電気磁気効果はマルチフェロイクスの分野等で近年 盛んに研究されている。本セミナーでは、マルチフェロイクスの枠組みとは異なる、反転 対称性の破れた系におけるスピン分裂バンドにより発現する電気磁気効果を主題とする。 このスピン分裂バンドによる電気磁気効果は、半導体界面においてRashba-Edelstein効果 として観測されてきたが、バルク物質での議論・観測は今までほとんど行われていなかった。 この効果のバルク物質への議論の拡張、並びに、反転対称の破れている物質である三方晶Te におけるバルク電流誘起磁性検出の実験結果の紹介を行う。


2015/10/20 Tue evening 4:50- 16号館225AB
Sebastien Burdin (University of Bordeaux)
Title: Spin liquid versus long range magnetic order in the frustrated body-centered tetragonal lattice
abstract: First we will briefly overview famous examples of unconventional correlated electron materials with body-centered tretragonal lattice (BCT-lattice) structure. Even if these experimental systems are metallic, the introduction of an Heisenberg model will be motivated invoking general properties of Kondo lattice models. Then, an SU(n) generalization of the quantum Heisenberg model will be studied in the geometrically frustrated BCT-lattice with antiferromagnetic interlayer coupling J1 and intralayer first and second neighbor coupling J2 and J3. Using a fermionic representation of the SU(n) spin operators, we will study the phase diagramm characterizing the ground state of the system. For small n, we find that the most stable solutions correspond to four different famillies of possible long range magnetic orders that are governed by J1, J2, and J3. For large n, spin-liquid (SL) solutions are stabilized. The SL solution governed by J1 breaks the lattice translation symmetry. This Modulated SL is associated to a commensurate ordering wave vector (1,1,1). For intermediate values of n, we show how competition between J1, J2, and J3 can tune the ground state from a magnetically ordered to a SL state. We then discuss the relevance of this scenario for correlated systems with BCT cristal structure.

REFERENCES: Phys. Rev. Lett. 106, 106601 (2011), Phys. Rev. B 87, 014422 (2013), Phys. Rev. B 90, 045125 (2014), and S. Burdin, C. Farrias, C. Pein, A. Ferraz, C. Lacroix, in preparation.


2015/6/19 Fri morning 10:30- 16号館126,127
Yasu Takano (University of Florida)
Title: Novel multiferroic ordering in a triangular lattice of spin triangles
abstract:Confidential(Contact us for further details)



2015/5/28 理論3研究室合同セミナー Thu afternooon 16号館827
Talk 1 13:00-14:00
Talk 2 14:30-15:30
Talk 3 16:00-17:00

Talk 1: 堤 康雅 氏(Yasuo Tsutsumi) @ Kato-Yusuke-group
Title: Majorana fermion in topological superconductor/superfluid
         トポロジカル超伝導体・超流動体におけるマヨラナフェルミオン

abstract: 近年、トポロジカル超伝導体・超流動体の準粒子束縛状態として現れるマヨラナフェルミオンが注目を集めている。マヨラナフェルミオンは粒子と反粒子が同一のフェルミオンである。セミナーでは、まず、典型的なトポロジカル超流動体である超流動ヘリウム3の表面と量子渦に束縛されたマヨラナフェルミオンについて紹介する。次に、トポロジカル超伝導体であることが明らかになってきた重い電子系超伝導体UPt3におけるマヨラナフェルミオンについて紹介するとともに、マヨラナフェルミオンの観測へ向けて理論的に取り組むべき課題についても述べる。


Talk 2: Xavier Plat @ Hotta-group
Title: Magnetization plateaus of an easy-axis Kagome antiferromagnet with extended interactions
abstract: We investigate the properties in finite magnetic field of an extended anisotropic XXZ spin-1/2 model on the Kagome lattice, originally introduced in the context of the search for spin liquids. The magnetization curve displays plateaus at magnetization m=1/6 and m=1/3 when the anisotropy is large. Using low-energy effective constrained models (quantum loop and quantum dimer models), we discuss the nature of the plateau phases, found to be crystals that break discrete rotation and/or translation symmetries. We focus in particular on the m=1/6 plateau, where the existence of a stripe rystalline phase is confirmed by large-scale quantum Monte-Carlo simulations of the microscopic spin model, using both standard structure factor and entanglement entropy measurements.


Talk 3: 観山 正道 氏(Masamichi J. Miyama) @ Hukushima-group
Title: Sparse modeling approach to STM topography data analysis
         スパースモデリングを用いたSTMトポグラフィデータの解析手法

abstract:STM (Scanning Tunneling Microscope) enables us to observe the surface of samples with atomic-scale resolution. We propose the new data analysis framework for STM topography, based on the Bayesian model inference technique with the sparse-modeling hypothesis. By applying our technique, we can estimate the positions of atoms from the STM topography so that we can extract the local structural information hidden behind the noise. In my presentation, I’d like to show you our strategy, tentative results, and prospects toward the application of sparse modeling approach to data analysis in the field of material science.