固体電子の量子論 浅野建一著 (東京大学出版会) 多くの人にお問い合わせをいただいておりました下記の本が 2019/8/28 ついに出版!! A5判ソフトカバー 528頁 東大出版会のページ. Amazonでご購入はこちら. 宇田川将文先生(学習院大学)が, とてもかっこいい書評を応用物理学会誌に書いてくださいました. . ''固体電子の量子論として、現代的な観点から必須と思われる 事項を、できるだけ易しく、それでいて正確に解説した、 類を見ない教科書 '' と, ベストセラー「熱力学の基礎」の著者 である清水明教授(東京大学)も絶賛の一冊! バンド理論、半導体、光学応答、電子相関、超伝導、量子 ホール効果などの代表的な物性現象を一通り ファインマン ダイヤグラムなどの高度な技法を使わず, 本書前半に収められたformulationと考え方を使ってすべて系統的, 統一的に扱う. 物質科学最前線へ向けて、学部四年生、大学院生から 理論・実験の研究者まで幅広い層にお勧めします. 固体電子の電磁応答をきちんと取り扱っている点もオリジナリティが高いです. 理論(や実験)のプロにぜひ買っていただきたいと思っています. なお教科書で 5000円越えは高いか?!という声もいただきましたが 出版社と協議を重ね, 著者が身を削ってなんとか5000円台(生協で購入すれば税込みで)にしました. 通常は2冊分に相当する, 充実した内容を見ていただければ他の本と比べて安いと思っていただける自信アリ! 目次: I. 基礎概念 1. 物性論におけるモデル   1.1 量子多体系としての物質   1.2 Born-Oppenheimer 近似   1.3 Sommerfeld モデル   1.4 一電子近似とバンド理論   1.5 ジェリウムモデル   1.6 Hubbard モデル 2. 量子力学からの準備   2.1 演算子のブロック対角化   2.2 量子力学における対称性   2.3 並進,回転および空間反転対称性   2.4 時間反転対称性   2.5 ゲージ対称性   2.6 有効ハミルトニアンの方法 3. 平衡統計力学からの準備   3.1 第二量子化   3.2 統計演算子   3.3 熱平衡状態と変分原理   3.4 Bloch-de Dominicis の定理   3.5 Hellmann-Feynman の定理 (熱力学版) 4. 線形応答の量子論   4.1 久保公式   4.2 Kramers-Kronig の関係式と総和則   4.3 揺動散逸定理   4.4 複素感受率の静的極限   4.5 相互作用がない系の複素感受率 II. バンド理論 5. 結晶中の一電子状態   5.1 Bravais 格子と逆格子   5.2 Bloch の定理   5.3 エネルギーバンド   5.4 バンドと対称性   5.5 スピン軌道相互作用がある場合 6. バンド理論の基礎   6.1 ほとんど自由な電子のモデル   6.2 擬ポテンシャル   6.3 強束縛モデル   6.4 k ・ p 摂動と有効質量近似   6.5 半導体のドーピング 7. 一電子近似の手法   7.1 Hartree-Fock 近似   7.2 ジェリウムモデルの HF 近似   7.3 交換正孔   7.4 カスプ定理   7.5 密度汎関数理論 III. 固体電子の電磁応答 8. 物質の電磁気学   8.1 微視的な Maxwell 方程式   8.2 電磁応答核   8.3 巨視的な電磁場   8.5 金属・絶縁体・超伝導体 9. 金属の電気伝導と光学応答 139   9.1 久保 -Greenwood 公式   9.2 Drude 公式   9.3 金属の光学応答   9.4 不純物による散乱   9.5 格子振動による散乱   9.6 Fermi 縮退していない場合 10. 絶縁体・半導体の光学応答   10.1 一電子近似の光吸収スペクトル   10.2 フォノン介在型間接遷移   10.3 Tamm-Dancoff 近似   10.4 Wannier-Mott 励起子   10.5 Frenckel 励起子 11. 金属における遮蔽効果   11.1 Lindhard 公式   11.2 静電遮蔽と Friedel 振動   11.3 プラズマ振動   11.4 対分布関数   11.5 基底状態のエネルギー IV. 電子相関 12. Landau の Fermi 液体論   12.1 断熱的接続の概念   12.2 準粒子の性質   12.3 遅延 Green 関数   12.4 自己エネルギーの二次摂動   12.5 Fermi 液体の微視的理論 13. 近藤問題と局所 Fermi 液体   13.1 Anderson モデル   13.2 s-d モデル   13.3 RKKY 相互作用   13.4 近藤温度   13.5 近藤効果   13.6 U に関する摂動 14. Mott-Hubbard 絶縁体   14.1 Hubbard モデル   14.2 反強磁性秩序(弱結合領域)   14.3 反強磁性秩序(強結合領域)   14.4 Gutzwiller の変分基底状態   14.5 動的平均場理論 V. 相転移現象 15. 金属強磁性   15.1 金属強磁性のモデル   15.2 Stoner 理論   15.3 Stoner 励起とスピン波   15.4 二電子問題(金森の理論)   15.5 SCR 理論 16. 超伝導の BCS 理論   16.1 フォノンを媒介とする有効引力   16.2 Cooper の不安定性   16.3 BCS 理論   16.4 超伝導体の熱力学 17. BCS 理論の応用   17.1 超伝導体の線形応答   17.2 Meissner-Ochsenfeld 効果   17.3 Josephson 効果・磁束の量子化   17.4 第一種および第二種超伝導体   17.5 BCS-BEC クロスオーバー 18. 整数量子 Hall 効果   18.1 古典および量子 Hall 効果   18.2 Landau 準位   18.3 整数量子 Hall 効果の理論   18.4 Widom-Streda 公式   18.5 トポロジカル数を用いた議論 19. 分数量子 Hall 効果   19.1 予備的な考察   19.2 二電子問題   19.3 Laughlin 波動関数   19.4 複合フェルミオン描像   19.5 励起状態   19.6 トポロジカル縮退 |