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CMSIとは

東京大学グローバルCOEプログラム「学融合に基づく医療システムイノベーション(CMSI: Center for Medical System Innovation)」は、医療分野におけるイノベーションをグローバルな視点で牽引しうるリーダー人材の育成を目的とした新しい教育プログラムです。
医工薬融合領域における最先端の成果に関する講義だけでなく、成果の社会還元に関する講義、分野横断的な実習、企業や海外大学での長期間のインターンシッププログラム、ケーススタディーなどの実践的なカリキュラムを介し、各個人レベルでの知と経験の統合を目指します。

CMSIのミッション

日本は超高齢・成熟社会に向かって世界の先頭を走り、人類未体験状況を受け入れるための新たな社会システム構築を模索しています。特に医療関連分野は、健康で安心できる人生を望む国民の関心が集中するとともに、科学技術立国の中核産業としての期待が高く、世界リーダーとしての地位確立が最優先国家戦略と位置づけられています。今日、医療分野への先端科学技術の導入は加速の一途を辿っており、とりわけ、先端医療の究極目標である低侵襲診断・治療、分子標的創薬、再生医療の実現の鍵であるナノテクノロジー・ナノサイエンスに立脚した医療体系、すなわち、ナノメディシン確立の必要性が叫ばれています。ナノメディシンは、生体の機能や構造をナノスケールで理解するナノバイオロジー、生体の機能や構造に啓発されたシステムやデバイスを創成するナノエンジニアリング、上記のような知識やデバイスを用いて生体をナノスケールで操作して医療へと展開するナノマニピュレーションの三つの柱とその融合により実現されています。本拠点では、これら三本柱の強固な科学・技術的基盤を既に持っており、その一層の促進を通じて成果の社会還元を先導する人材を育成します。その際、先端科学・技術が社会において、ときに期待のみならず不安を惹起することも十分理解し、象牙の塔に籠もって独善的になることなく、社会との接点を十分考慮してバランスのとれた推進を行います。
従って、本拠点では医工薬が緊密に連携する世界最先端の研究開発および先端医療を推進している現場に確固たる軸足を置きつつ、多様な事業化・産業の生の姿や現実の社会での経験を積む機会を提供する体制を形成します。この体制を最大限活用して、先端医療システム実現のための複合的分野を科学として統合するとともに、教育体制を構築して当該分野を先導する国際的人材を育成します。育成された人材は、ナノメディシンに代表される先端科学技術を理解・推進・評価できる力量とともに、社会・経済・経営にも広い視野を持ち、社会を先導して、先端科学技術が新たに実用化・産業化される道を切り拓くことが期待されます。

拠点における人材育成構想
拠点における人材育成構想

拠点リーダー挨拶

片岡 一則 (拠点リーダー)


世界に類を見ない超高度高齢化社会を迎えるこれからの日本は、新たな社会システムの構築を模索しています。その中、日本がグローバル競争の中で優位に立つためには、ナノメディシン(Nanomedicine)に代表される先端医療領域において技術的イノベーションを推進していくだけでなく、健康や医療を出口に見据え、研究成果の社会的受容や社会還元を促進するための革新的な取り組み、すなわち社会・経済イノベーションが不可欠であると考えます。
本拠点は医学系、工学系、薬学系という部局が緊密に連携し、世界最先端の研究開発および先端医療を推進している現場に確固たる軸足を置きつつ、多様な事業化の事例、産業界や異分野との接点、グローバルな経験を積む機会を積極的に提供していきます。本拠点は、よりよい医療システム実現のための分野融合を促進するとともに、技術への深い造詣とヒューマニティを両立し、明日の健康・医療分野を先導する国際的リーダー人材を育成したいと考えています。

拠点幹事挨拶

高戸先生(医学系リーダー)


長い医学の歴史の中でも、20世紀における医療の進歩には目覚しいものがあった。1928年のフレミングによるペニシリンの発見により、抗生物質の開発が進み、化学療法は革命的な発達を遂げた。また、20世紀後半の分子生物学の進歩は、遺伝子診断や遺伝子治療、分子病理学などの発展に大きく貢献した。このように医学の発展は、理学、工学など周辺科学の成果をうまく融合させることにより実現してきたといえる。
近年、医療の進化はさらに加速し、内視鏡手術、臓器移植、ゲノム医学、ロボット手術、再生医療など、以前では困難とされていた治療法の選択が可能になりつつある。今後、医療の更なる高度化、専門化が見込まれるなか、次世代を担う医療人には、自身の専門のみならず、工学、薬学、理学など幅広い知識の習得に努め、より広い視野を持って自身の専門領域に取り組んでもらいたい。本拠点が、そのような人材育成の場を提供し、その成果が各分野の発展に繋がり社会に還元されることを期待している。

長棟先生(工学系リーダー)


先進国において急速に高齢化が進む中、健康で安心かつ幸福を感じることができる社会システムを構築していくためには、ナノテクノロジー、ナノサイエンスなどの先端科学技術を導入した医療、福祉の高度化、システム化が不可欠です。これまで日本では臨床研究、医療機器開発、医療機器審査、医療政策などをになう人材が、医学、工学、薬学という縦割りの教育システムで育成されてきました。その結果、相互のコミュニケーションや啓発に基づく創発のチャンスが限られ、日本から革新的な医療機器・医療技術が生まれにくい状況が有ったように思われます。本拠点では、このような現状を打破するために、医学・工学・薬学・社会還元学の学融合に基づく医療システムイノベーションを目指した教育プログラムを提供しています。工学系からこのプログラムに参加する学生が、医療技術分野のみならず、社会・経済・経営の分野に対してもグローバルな視野を持ち、社会を先導して先端科学技術の実用化・産業化に貢献する人材となってくれることを期待しています。

入村先生(薬学系リーダー)


薬学は、化学と生命科学の最先端を切り開き、これを基盤とする薬の創成と適正な使用を通して医療に貢献することを使命としています。本グローバルCOEを通して、東大薬学の教員と学生の持つこのような使命感を共有する同志の輪が広がるのは喜ばしい事です。大学院生が、研究、連携、成果発表、社会還元などを含めて世界の最先端に参加することによって、自ずと学ぶことが出来る環境が、益々高いレベルで整いつつあります。10年以上在籍した前任地であるテキサス大学MDアンダーソン癌センターは、がんを中心とする医療におけるトランスレーショナルリサーチの国際的な拠点ですので、経験を生かして新たな連携を広げたいと考えます。本グローバルCOEのもう一つの側面は、東大における部局を超えた生命科学教育への取り組みである生命科学教育支援ネットワークの活動の延長線のひとつだという事実です。本グローバルCOEが完了する頃には、東大の生命科学の大学院を、世界中の最も優秀な大学院生が競って参加する魅力的なものにしたいと願っています。

木村先生(社会還元系リーダー)


かつてない成熟社会を迎えた日本は、高度化、多様化する社会ニーズに呼応し、生活・医療の質の向上を目指していく必要があります。さらに国際的な競争環境下で日本がイノベーション立国としての存在感を示すには、最先端の研究開発に基づく「科学技術イノベーション」と、社会システム全体を変革する「社会・経済イノベーション」の双方を促進していくことが急務となっています。 社会還元系では、多様なステークホルダーが存在する医療分野の中で、グローバルな視点で多面的なイノベーションをリードする、クロスオーバー型人材の育成を目指します。そのため、医工薬の融合領域に深い専門知識を持つ人材に対し、研究成果の社会還元と社会受容を促進するための講義、そして国内外の企業でのインターンシップといった実践的な教育プログラムを組み合わせ、知識と経験の有機的な融合を目指します。日本の医療分野の変革を先導する気概を持った、意欲的な皆さんの参加を期待します。

拠点ロゴについて

- 拠点ロゴ -





- 提供価値 -

医・工・薬の3領域の物理的学際融合ではなく、知的フュージョンにより新たな領域を生み出します。
対象はグローバルです。東京大学のこれからの競争領域、世界を対象にするため、デザインもそのクオリティを備えます。

- コンセプト -

ナノと生き物との接点を意識し、化学式でも使用される6角形をモチーフにしつつ、そのグリーンに輝く6角形を立体的に表現することで生命体そのもの、進化、広がり、躍動感を表現しています。書体は明朝系、ゴシック系を合わせたものをCMSIが独自に開発しました。明朝系の「繊細さ」とゴシック系の「力強さ」を合わせ持った、今までなかった全く新しい字体です。我々はこのロゴを用いて、グローバルに本拠点のアイデンティティーを発信してまいります。

- ロゴ開発 -

高東 拓司(T2 Field)