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先輩の声
三島 徹也氏(83年卒) 松井 保幸氏 (87年卒) 岡本 章司氏(89年卒) 土屋 智史氏(96年卒)
  上田 功氏(90年卒) 北河 大次郎氏(92年卒) 廣瀬 利雄氏(55年卒)
綿谷 昭夫氏 (72年卒) 大野 浩氏(83年卒) 田口 治宏氏(84年卒) 瀬古 一郎氏(90年卒)
水谷 誠(85年卒) 盛谷 明弘(86年卒) 滝本 勝(97年卒) ジェ シュ氏(12年卒)
シタラム氏 (90年卒) ハメド ハドホウド氏(10年卒) ペンヌン ワーンニッチャイ氏(85年卒) ヤニさん(10年卒)
ヨランダ アルベルト氏 (14年卒) ラン ビン(89年卒) 森 昌文氏(81年卒) 天野 玲子氏(80年卒)
田代 民治氏 (71年卒)

【土木技術者は幸せなり

氏 名: 廣瀬 利雄

所 属: (株)首都圏建設資源高度化センター
E-mail: arc@mgi.giblobe.ne.jp

略 歴:

昭和30年 建設省入省,河川局長,建設技監を歴任,
昭和63年 退官, 財団法人理事長を歴任,現職

 

 昭和30年建設省に入省,以来主としてダム事業に従事しました。毎日与えられた仕事を忠実に行えば,それで,生甲斐を感ずることが出来た時代でした。現場の第一線も経験しました。半年間も蒲団に寝られないことも,身命が危険になったこともありましたが,何等苦痛を感じませんでした。社会のため,人のための仕事という使命観のためでしょうか,生甲斐を全身で感じていました。

  ところで,最近「公共事業悪者論」がマスコミで採上げられています。身を粉にして盡力してきた者として,不満,遣る瀬無さ一杯です。6〜7年前になりましょうか,意識的に土木工学者,経済学者を除き,倫理学者,哲学者,社会学者等と社会資本はどうあるべきかの勉強を続けました。その結果,社会資本は@自然,A利便施設,B法律・制度から成ることが解りました。土木技術者は,Aについて,効率性,経済性,合理性を追求していますが,@,Bについては積極的な意識がないことが解りました。社会資本は,人間の幸せと,生甲斐のためにこそあるべきなのにです。

  ところで,価値判断,評価は土木工学ではできないのです。1人の人間としての人生観,世界観によるのです。ついては,日頃から,人文社会学の素養をつむ必要があるわけです。旧制高校生は,寮生活の中で,読み,語り合い乍ら素養を積んできました。現在の学制では難しいと思います。従来以上の努力が待たれます。頑張ってください。土木技術者は幸せと,生甲斐に関する社会資本を整備する天職なのですから。

  最後に2つの言葉を贈ります。

青山士(大河津分水路(スエズ運河と同量の掘削事業)を完成させた)

“万象に天意を覚る者は幸せなり,国のため,人類のため”

ストラスブール大寮歌の一節

“学ぶとはまことを胸に刻むこと”

 


 
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