| 会長挨拶 | 沿革と規約 | 役員紹介 | 会報 | メールニュース | 古市賞・田辺賞 | ホストファミリープログラム | 先輩の声 |
| HOME | 事務局から | リンク | サイトマップ | English | E-mail | 
先輩の声
三島 徹也氏(83年卒) 松井 保幸氏 (87年卒) 岡本 章司氏(89年卒) 土屋 智史氏(96年卒)
  上田 功氏(90年卒) 北河 大次郎氏(92年卒) 廣瀬 利雄氏(55年卒)
綿谷 昭夫氏 (72年卒) 大野 浩氏(83年卒・故人) 田口 治宏氏(84年卒) 瀬古 一郎氏(90年卒)
水谷 誠(85年卒) 盛谷 明弘(86年卒) 滝本 勝(97年卒) ジェ シュ氏(12年卒)
シタラム氏 (90年卒) ハメド ハドホウド氏(10年卒) ペンヌン ワーンニッチャイ氏(85年卒) ヤニさん(10年卒)
ヨランダ アルベルト氏 (14年卒) ラン ビン(89年卒) 森 昌文氏(81年卒) 天野 玲子氏(80年卒)
田代 民治氏 (71年卒)

 

氏 名:ヤニさん(写真左、彼女が学生時代に描いた前川先生の似顔絵とともに)
インドネシア出身

2010年博士号取得(指導教官:前川宏一先生)
スラバヤ工科大学

インタビュアー:Ayu Putri Nuradi (アユさん、清田研M2、右手前)・Juliafad Eka (エカさん、目黒研D2、右奥)
両名共にインドネシア出身

 

・留学 それは困難に立ち向かうこと

 生きていくということは、安住の地を去ることから始まります。しばし、たやすい場所は生きる意味を問い、学ぶことを忘れさせてしまうから。しかし、安住の場所を離れ、新しい一歩を踏み出すことは、人生を困難にも導きます。その一番身近な例が留学でしょう。

 海外で学ぶことは多くの変化をもたらします。例えば家族や親せき、親しい友人との別れ、現在の仕事を辞めること、母国を離れること、そして新しい文化や生活習慣を受け入れること。これらが私たちにとって、安住の地から飛び立つことであり、多くの留学生が同じように経験することなのです。例えばヤニさんのように。Dr. Januarti Jaya Ekaputriさん、皆が親しみを込めてヤニさんと呼ぶ私たちの先輩は、東京大学の社会基盤学専攻、コンクリート研究室に所属し、前川先生のご指導のもと2010年に博士号を取得しました。

 東大に在籍している間、ヤニさんは研究者になるためにさまざまな挑戦をしました。ただし、病に伏す父親(最愛の母も2006年に亡くなったそうです。)を気にかけながらの勉強の日々でした。それでもさまざまな障壁に心を囚われすぎぬよう意識して、粘り強く前に進み続けました。彼女の夫も彼女が落ち込んだ時にいつも支え続けてくれたそうです。彼の言葉はヤニさんを慰め、そして最後は必ず励ましとなりました。

 研究者としてのみならず教育者となるための更なる挑戦が課されました。やる気を失っている学生の指導を任されたときです。たしかに困難でしたが、学びがありました。今になって、その時の経験が同じような学生たちの指導に役立っています。新しいことに挑戦すれば、必ず新しい実りを得ることができます。彼女は言います、「上手に教えられるようになるためには、まず学生たちをよく理解しようとすることね。」

・インドネシアでの活躍と東大とのつながり

 インドネシアに帰国後ヤニさんはスラバヤ工科大学に奉職しました。彼女の研究活動が数々の賞や助成金を得ていることはよく知られています。ヤニさんは学生たちに国際的雑誌への論文投稿を勧めています。研究助成金は少ない額でも工夫を重ねることにより、次々と新しい研究に取り組み研究室を活性化することにも役立っています。

 ヤニさんはインドネシアでキャリアを積みつつも東京大学、特に前川先生との関わりを大切にしています。共同研究を目的として、インドネシアと東京の大学の間に強いつながりをつくろうと考えています。

 最後に彼女からの締めくくりの言葉を紹介します。「正直に、感謝の気持ちをもって、自分自身の幸せを探してください。常に前を向いて、昨日のことはもう過ぎたことだから。」

 


 
 Copyright(c)2008 東大土木同窓会 All rights reserved.