本研究では、「液晶中での超分子重合」という材料設計の新戦略により、光信号と電気信号に対してロジックゲートのように作動する機能性液晶デバイスを開発した。信頼性の高い情報伝達を実現し、持続可能な高度情報化社会に貢献する素子材料として期待される。
この液晶デバイスは、棒状分子からなるネマチック液晶の中で円盤状分子を超分子重合させることで得られる。両者は本来「かたち」の違いゆえ混じり合うことがないが、適切な分子設計を施すことで両者は自発的にハイブリッド化し、コア・シェル型カラムナー構造を形成することを見出した。このカラムナー構造は自由な「着せ替え」が可能であり、例えば、光応答性の棒状分子と電場応答性の円盤状分子を組み合わせることで、上記の光と電気で駆動する論理回路デバイスが実現している。
液晶中での超分子重合が創る、光と電気で駆動するロジックゲート型デバイス