生物の筋肉はタンパク質の微小な変形を増幅させることで大きな伸縮運動を達成している。しかし、分子レベルの動きを巨視的な運動として取り出すことは極めて難しい。では生体はどのようにそれを実現させているのか。その鍵は生体組織の巨大な三次元的配列構造にある。今回我々は、ポリマーブラシを足場として用い、光により変形する分子を大面積かつ三次元的に配列させることで、光をエネルギーとして動く新しいフィルム材料を開発した。このフィルムは、ポリマーブラシをテフロンシートで挟み、加熱プレスすることで非常に容易に得られる。この手法は、光エネルギーを力学エネルギーに変換し駆動する、新しい人工筋肉の開発に繋がる。
ポリマーブラシの大面積配向で造る光駆動の人工筋肉