内部の静電反発力のオンオフだけで動くヒドロゲル材料
温度などの刺激に応答して変形するヒドロゲルは、生体に似た、軟らかく、軽く、ウェットなアクチュエータであり、人工筋肉などへの応用が期待される。今回、従来とは全く異なる原理に基づき、動きの質や量において既往例を凌駕したヒドロゲルアクチュエータが開発された。
互いに静電反発する酸化チタンナノシートを平行に配向させ、感温性ポリマーでできたヒドロゲルの中に閉じ込める。このヒドロゲルを加熱・冷却すると、ポリマーの脱水和・水和に伴い、ナノシート間の静電反発力が劇的に増減するため、外界との水の受授をともなうことなく、速く、大きく、一方向性の運動を繰り返すことができる。夢の人工筋肉の実現に向け、大きな一歩となる。