究極的に構造制御されたキラルなゼオライト
近年、ゼオライトや金属有機構造体に代表される、規則正しく並んだ空孔を持つ材料が注目されている。しかしながら、今日の多孔性材料は構造制御性に乏しいものであり、空孔の向きを揃えたり、その形状をキラルにしたりすることが極めて難しい。今回、キラルな超分子液晶を磁場配向したのちに重合固定することで、〜10 cm2の大面積で一義的に配向したらせん状空孔を持つ材料が開発された。
この空孔は、様々な機能性分子を取り込むことができる。らせんのように対称性の崩れた構造に機能性分子が並ぶと、通常では見られない非線形物理現象が発現する。そのシグナルは、らせんの向きを揃えることでより強いものとなる。今回の空孔材料は、知られざる非線形物理現象を探求する上で格好の場を提供する。