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我々の身の回りには、リニアモーターカーやサスペンションのように、磁気や電気の反発力を用いた機械がある。これに対して構造材料は、構成要素間の引力を高めることで構成される。一方で動物の関節軟骨は、人工の構造材料とは逆に、互いに静電反発する構成要素からなるため、高い圧縮力の下でも摩擦力が高まることなく、極めてなめらかに運動する。今回、異方的に高められた静電反発力を内包することにより、特異な力学物性を示す構造材料が開発された。


静電反発力を内包したこの材料は、ナノシートに平行なせん断力に対しては容易に変形する一方、それと垂直な荷重には耐え、極めて優れた防振特性を示す。本発見は、これまでの省みられることのなかった反発力の利用が、全く新しい力学物性につながることを実証しており、今後の材料科学に新たな可能性を開くものである。

異方的な静電力学を内在する材料